最近近所で暮らしはじめた友人が、ギターを持って訪ねて来てくれました。

ひどく壊れた私のギターを修理してくれたのですが、他の色んなギターも出してきて弾き比べたりして、なんとも絵になる、素敵な夕暮れでした。


彼の名前はソウヤ。
ミュージシャンです。

暴走族だった16歳の時にアフリカン楽器に出会い、人生が変わったそうです。

ドラム、ジンベ、バラフォン、サバール、トーキングドラム・・・様々な打楽器を演奏するようになり、アフリカ人のプロミュージシャンとも演奏を重ねてきました。

そうしているうちに、アフリカの伝統音楽や、文化、色々なことに興味がわき、28歳で念願のアフリカへ。
腕前があれば歓迎されるという現地のライブに飛び込み、音楽を深めてきました。

帰国してからはさらに音楽活動に勢いがつき、パーカッションのレッスン、楽器制作、そして歌やあらゆる楽器を演奏するマルチプレイヤーとして月に15本以上のライブをこなす売れっ子に。



そんな流れで、ミュージシャンとしてのりにのってきた頃・・・

今回の震災が起きました。

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そして次は、

奥さんとお腹の赤ちゃんを連れ、この勢いを手放して、宮古島に移ってきたのです。



宮古島に行こうと、最初に言い出したのは奥さんのユキ。

「友人が居るし、放射能におびえながら出産・子育てをするよりは、ストレスの少ない環境で暮らしたい。
子供の未来を考えてもその方がいい。」

と。

でも、音楽活動を考えると、関東を離れることは難しい・・・。

最初はかなり迷ったそうですが、
「ユキが言っていることはきっと、お腹の中の子供が言っていることでもある・・・それは未来につながっている事に違いない・・・!」
と思って決めたそうです。

今まで積み上げてきたものを手放して、仕事、暮らし、何もかも分からない土地へ・・・。

そんな状況の中二人を強く導いたのは、今の時点での未知なることは、ひっくり返したら大きな力になることだという考え。

実はこの4日前に、ソウヤは自宅で、赤ちゃんをとりあげたばかり。

自然分娩・・・何100万年も続いてきた営みを自然に体験したい。
二人で一緒に出産・育児を経験するため、しばらく前から仕事を休み、その時を待っていました。

赤ちゃんの出てくる力、自然の法則を心から信じて。

そして、生まれた・・・!
その笑顔で全ての不安が吹っ飛んだそうです。




自然とは何か?って聞かれたら、それは、「そのまんま」って事だと思う。
1年草を見ていたら自然がよく分かる。
芽が出て、育って、花が咲いて、種が落ちて、かれて、また芽が出て・・・・。

人生は十人十色なんだから、ただ誰かに影響を受けるのではなくて、自分の意識を持って実践していくことが大事。


そんな事を話していました。



そのまんま生きてる、ソウヤ。
芯のある言葉が充分説得力をもつ、穏やかな強さを感じました。