トゥリバー地区に、ちょっと変わった美容室があるのをご存じですか?

マンションの一室を改装した「ゆとりすと」は、まるでその家に遊びに行ったような感覚でリラックスできる美容室。
美容師一人、スタイリングチェア一台のお店です。

明るい日差しが差し込む大きな窓からは、トゥリバーの海が一望できます。
そのせいか、ゆとりすとでは雑誌を読むお客さんは居ないそうです。
おもちゃ満載のキッズルームもあるので、子供も一緒に遊べるのが大人気!

オーナーの島尻麻衣子さんは、北海道出身の宮古嫁。
しっかりしていて天然キャラの彼女に、いつも元気をもらいます。

今回は、ゆとりのスペシャリスト、麻衣子のヒストリー。

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10年前、勤めていた美容院を辞めようとして札幌の求人雑誌を見ていたら、県外の欄に載っていた沖縄の求人が目に入り、「とりあえず2ヶ月くらい沖縄でバイトしながら遊んでこようかな」って思ったそうです。

沖縄本島と宮古島の違いも分かってなかった麻衣子。
「沖縄行ったらダイビングして〜、首里城とか観光して〜」と計画していました。
しばらくして、ここが離島で、首里城がないことに気付きます(笑)。

それはそれ、これはこれ。
バイトをしながらダイビングのライセンスを取ったりして、宮古ライフを楽しんでいました。
そんな中、色々な出会いがあり・・・ある日恋に落ちたのです〜♪

そういうわけで彼女の滞在はどんどん延び、彼と一緒に暮らすようになり・・・
5年後には、その人が今の旦那さまとなったわけです。

う〜ん素敵!



宮古島の美容院で働きながら、大切なことを沢山学びました。

それは、宮古には宮古の流れ・スタイルがあること。
本土の常識を持ってきても、宮古のお客さんが喜ぶとは限りません。
そして、お客さんとの関係を大事にすることは、全ての人との関係を大事にすること。
宮古島では、色んな関係を通して全ての人がつながっているのです。

そして結婚、妊娠。
それをきっかけに独立を考えるようになりました。

「妊娠中も、そして子育てをしながら、自分のペースでやっていける職場がいいな。」

そう思っていたら、タイミング良く今の店が売りに出て、即決。
美容院の機材も一通り譲り受けたので、すぐに始めることができました。

「内地での常識をくつがえすような美容院にしたいな。」

こうして、貸し切りの美容室、ゆとりすとが誕生しました。
麻衣子のゆとり空間です。


他の田舎も同じでしょうが宮古島も、どこに行っても知り合いに会います。
人の噂も飛び交います。
だけど人には、誰にも邪魔されない自分の時間が必要ですよね。

「ゆとりすとでは、海を見てボーっとしながら、自分の心をリセットして欲しい。」

美容師は技術が大事だけど、美容師の良さは技術だけじゃない。
そう考えて、自分も大好きなマッサージを勉強したり、最初から最後まで一人の人間が一人のお客さんにつくというスタイルを大切にしているそうです。

そして、色んな暮らしをしているお客さんに融通をきかせてあげられるゆとりを忘れません。

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特に評判なのは、この、キッズルーム。
ベビーベッドも隣に置けるし、授乳しながらのヘアカットだってOK!
自分も子育て奮闘中だけに、ママさん達の気持ちがよく分かるんですよね。

「子供を育てていることで、出歩きにくくなるのはとても残念なこと。
私も、子育てをしながら仕事もプライベートも大事にしたい。

好きなフラを楽しみながら続けていきたいし、お母さんが好きなことをして生き生きしている方が子供にとっても良いような気がする。
定休日を作ろうかなってたまに思うけど、結局仕事が好きなんだよね。
でも、だからといってリラックス出来てないと結局子供にしわ寄せが行くから、週末は仕事を減らして・・・・」

真剣に子育てしながら、自分の好きなこともちゃんと楽しんで暮らす。
彼女からは、いつもポジティブなエネルギーを感じます。


写真を撮らせてと頼むと、子供用の木馬に乗ってポーズ(笑)!


ゆとりすと、麻衣子ワールド、大好きです。