私の家にはシークァーサーの木があります。

最初っから庭にあったのですが、
どうも葉っぱが柑橘系のにおいだなとは思いつつも何の木かは特に気にせず、
かわいく刈りそろえて観賞用で楽しんでいました。

ところがある年地元の人に、これがシークァーサーだと教えられ、
「見た目を良くしようと刈り取らないで、枝をのびのび育てないと実が付かないよ」
と、まるで子育てのようで思わず納得のアドヴァイスをいただいたのです。

こういう時の地元の人のアドヴァイスほど正しいものはないので、
早速はりきって放っておきました。

その2年後、シークァーサーの実が2つなりました。
家の前で小躍りしてると近所の人が通りかかったので、
あまりのうれしさに一つぶお裾分けすると、10分後
「シークァーサーのお返し」と、マンゴーを持ってきてくれました。
ワオ。

その翌年は1つ実がなっていたのに気づかなかったらしく、
ある日黄色くなったシークァーサーを発見。
そういうものを初めて見たので、料理屋さんに持っていって使い道を聞くと、
「食べたら?」と。
ミカンのように皮をむき、小さなその実を4人で分けて食べました。
意外なことに、さわやかな甘さ。


そして今年・・・ついにきました!
豊作です!!!


これを見た隣んちのおじいが、
「一度こうなったら次からは毎年実がつくよぉ」と言っています。
こういう時のおじいの発言は、正しいにちがいないのです。

やったね!





私の中でシークァーサーと言えば、Moby工房の富夢(トム)さん。
このおじさんは、木工や木彫りの職人(アーティスト)である他に、
知る人ぞ知る、シークァーサー採りの名人なのです。

時期が来るとある日突然「山に行って来た」と、
両手にシークァーサーのつまった袋を抱え、シャツもズボンも
ポケットをパンパンにして、漫画のように実をこぼしながら現れます。


山って・・・!宮古島のどこよ!?
それがどこかは決して教えてはくれません。

トムさんは黙って台所に行くと、それ用に買った絞り器でギュウギュウ絞って、
砂糖と混ぜておいしいドリンクを作ってくれるのです。

夜になるとポケットにシークァーサーを沢山入れて出かけます。
そしておもむろに一掴みカウンターに置いて一言、
「ジン・リッキー」。
まるで西部劇のようです。




ついにシークァーサーの収穫に成功した私も、
トムさんのまねをして、カバンのポケットに沢山詰め込んで出かけてみました。
ポケットにシークァーサーが入ってるだけで、なんだかとても楽しい気分。


まずはサニーサイドでランチ。
トロピカルなアイスティーにシークァーサーをプラスしてさらにトロピカル♪
(でも味は何故か和風)




知人から呼ばれた前浜に行ってみると、ウィンディでビールを飲んでいました。
すかさずシークァーサーを渡すと、指で穴をあけたので一面いい香り。
コロナにライムならオリオンにはシークァーサーでしょ♪




夜になってJINBEIに行くと、採れたてのたこを湯がいていました。
シークァーサーを取り出すと、「ちょうどいい!」と言ってすぐにカットして、
プリップリのたこに添えてくれました。
海からのやさしい塩味を引き立てるなあ?♪



ふふふ、満喫。
そんな、とある休日でした。

だから何って?
私はとっても楽しかったです。
それが最高!

もちろん各所でみんなにお裾分けしましたよ。
次の収穫は、来週あたりかな?♪

シークァーサーちゃんたち、楽しい時間をありがとう!!