来間島の大好きなカフェ、Pani Pani
そよ風、植物、音楽、そしておいしいお茶にPani Paniパン。

そこに流れているのは、世界中どこにもない空気です。

今回は、Pani pani のオーナー・関口さんのヒストリー。

null
関口さんはその昔、神戸で暮らしていました。
いつか沖縄で暮らしたいなーという漠然とした思いはありながら、特に動くわけでもなくそこで暮らしていたある日、阪神大震災が。
色々な物を失いました。

そこで今の奥さん・久美さんと一緒に、とりあえず横浜へ。

横浜で色々な仕事をしながら3年間。
そんな48歳の関口さんには、捨てる物が何もなかったそうです。

そして13年前、体ひとつで宮古島を訪れました。

そこで出合ったのが前浜ビーチ。
その美しい風景の中で思ったそうです。

「ここで暮らそう」




生活できれば何でも良かった。
農業などの仕事をしながら、島の暮らしがスタートしました。

しばらくすると、久美さんが出合った旅人にミサンガの編み方をならったのです。
それからゴーヤの形の編み方を発明して、種も付けてみて・・・オリジナルのゴーヤブレスが誕生しました。

緑のゴーヤと、熟した黄色のゴーヤ。
東平安名崎の駐車場に車を停めて、小さなテーブルに並べて売っていました。
そう、私が宮古島に来た10年前は、「東平安名のゴーヤブレスの人」だったんですよ〜!

ゴーヤブレスは、宮古島のちょっと素敵なお土産でした。
とりあえずしばらくやってたら、雑誌「うるま」に取り上げられて、それが大ヒット商品に!

null

一方その頃、住む予定で待っていた物件が、先方の都合で急にキャンセルされてしまいます。
がっかり・・・。

でも、その時に、たまたま紹介されたのが、来間島のバナナ畑。

関口さんがこのバナナ畑を初めて見たときに、今のPani Paniがインスピレーションに湧いたんですって!
コレが第二の出会いだったわけです。

null
(その時の写真を見せながらお話ししてくれた関口さん)


全財産をはたいて買ったバナナ畑。
ビジョンは湧きました・・・でも工事費がない。

夏はお土産を作っては売り、冬には工事を進める・・・。

バナナ畑を壊さないよう、重機を入れず、手で穴を掘って、土台も、壁も、全てを少しずつ少しずつ手探りで作っていきました。
専門家に知恵を借りながら、初めての事もいっぱいの家作り。

沢山の人に「楽しいだろ、贅沢だな」と言われたそうですが、当時の本人からしてみれば、楽しくない日の方が多かったそうです。

3年かけて、ついに、Pani Pani とその後ろにある小さな住まいが出来ました。
工費はなんと、たったの150万円!

null
こんな風にして、世界のどこにもない素敵なカフェ・Pani pani ができあがりました。
訪れる人を、温かく包み込んでくれる、そんな空気がそこにはあります。

最初の頃はコーヒーとアイスしかなくて、いつ行ってもカウンターで関口さんとおしゃべり出きるお店でした。
最近は人気が出て、あちこちから色んな人が訪れてはにぎわっているPani pani。

関口さん曰く、「Pani pani の、一番のファンは僕。」

「僕はこんなんが好きなんだけど、この感じが好きな人は是非一緒に過ごしましょう。」

素敵すぎです〜〜〜。
Pani paniを訪れる方は、是非、ゆっくりできる時間に、その空気の中にとけ込んでみてくださいね。

null

失う所から始まる、新しい人生のステージ。
いつも穏やかな関口さんから感じる芯の強さこそが、持ち物のなかった関口さんが、唯一忘れることなく持ち続けていた大切なものなんだな〜と思いました。


「何かを実現したい時、どれだけ好きか、どれだけ実現したいか、それが一番大事。
好きな人をGETするのと同じだよ。」 

null
null null
null
Pani Pani の営業時間は、季節によって大体ですが、10:00〜日没まで。
行事や天気によってお休み。