01/30: ガイコクジン
がばおばー、あたししかいません。諦めなはれ。
君が何か伝えようと 握り返したその手は
僕の心のやらかい場所を 今でもまだ締め付ける
ある日、がばおばー(おばーの更にムコウ←?)が突然腹痛を訴えたとの事で
がばおばーの息子である義父は出張中、私の主人はどうしても外せない仕事。
義母は、無免許。で、嫁の私が呼ばれた てなワケで。
すぐそっちへ行きます。
と、即駆けつけた。
こんにちは!がばおばー、大丈夫? と 玄関へ上がると
部屋からがばおばーのごねている声が聞こえた。「○男(息子)を呼べ」
どうやらとーちゃんを呼べと言っている。
「だから○男は今宮古にいないさいが。あんたお腹痛いんでしょう。ほら!嫁子さん来たさ!
ほら!んじ!!」 と かーちゃん。
あのー・・・がばおばー?かーちゃん?
「もう良い。あんたは帰りなさい。病院は行かん!」・・・
あんたとは、私ですか。
帰りませんよ。がばおばーがお腹痛いんでしょ?だから病院に行きたいんでしょう?
行きましょう。私だけやない、かーちゃんも一緒だよ。
「良い。もう良い」
良くない。
「行かん。」
行きますよ。
「帰りなさい」
帰りません。
・・双方譲らない。かーちゃんが、呆れ果てた顔で、私とがばおばーを見る。
(かーちゃん・・?私、もしかしてがばおばーに嫌われてる?)と こっそり聞いてみた。
「あのね悪く聞かないで欲しいんだけど、好き嫌いというかねー。あの人はワガママなだけ。
それにあなたは大和だから、あの人は昔から大和が苦手だからあんなにしてるの。」
ほう・・・。ヤマトガニガテ・・・新種のカニみたい。
「良いさ。タクシー呼ぶさ。ごめんね、嫁子さん」
がばおばーは、お布団の上に横たわり、コロンとあっちを向いていた。
タクシーがほどなく到着。
がばおばーは杖を付きつつ歩き、かーちゃんが後ろから付き添い、
ついでに「帰れ」と数秒前に言われた私もタクシーに乗り込んでやったはっはーー(乗ったモン勝ち)
がばおばーかかりつけの病院へ着き、私は図々しくも診察室にまで一緒に行く。
医師「カニさん(仮名)ウ○チたまってますから出して帰りましょうね」
なんだ便秘か。良かった良かった。ウン。
・・・きちんと処置をしていただき、がばおばーは顔色も良く処置室から出てきた。(さすがにそこは外しました)
無事帰宅し、がばおばーは何事もなかった様に椅子に座り相撲中継を見始めた。
私「がばおばー、もうお腹痛くない?」
がばおばー「ん。」
私「がばおばー、お水飲む?お茶よりお水だよね」
がば「ん。お水入れなさい。」
がばおばーは、ミネラルウォーターを嫌う人だった。
水道水派って事を、学んでたもんね。(以前ミネラルウオーターを持って行って「これは水じゃない」と叱られた・水って何!)
私「はい。お水。」
がば「ん。」
私「・・・。」
がば「・・・。」
別に帰りゃ良かったんだろうけど、なんか、しばらく、居座ろうって、その時は思った。
かーちゃんは、「5分で戻る」と言いどこかへ出かけ部屋には私とがばおばーの二人きり。
二人きり。
二人よ。がばおばー。あなたの苦手な大和と。
私はあなたが何者でも一向に構わなくってよ。
なんて、ほんとはドキドキ、かーちゃんが帰ってくるまでの5分が長くて。
相撲中継の音が救いの第三者の様で。
頭の中は色々な事を考えました。
(私は、ほんとに 嫌われてるのかな。私の関西弁が原因かな。)
宮古人じゃ ないから かな
がばおばーが再び「もう帰りなさい」と言った。
かーちゃんが戻ってくるまで居る。と言うと
さらに宮古方言で何かを言った。 けど、解らなかった。
何とも著しがたい時間が流れる。
かーちゃんが戻ってきて、私はがばおばーのそばを離れ
かーちゃんの買ってきた物を冷蔵庫に入れた。
「これ、あなた達の分」と、新聞紙で包まれたお刺身をくれた。
ありがと。かーちゃん。
「嫁子さん、ありがとうね。それからーごめんねー。がばおばーがあんなでさー
気にしないでまた来てちょうだいね」
ううん。全然気にしてないよ。仕方ないよね。私こんなだもん。(どんな?)
じゃ!また何かあったら呼んでね!お刺身、ありがとう!
足に入る力が出ず、とりあえず車に乗り込み
ボロボロボロボロ、泣いた。
今までは、主人が一緒だったから「普通」に接してくれていたんだ。
私だけやと、ほんとはああなんだ。ああなんだぁ・・・。
夜、主人がかーちゃんからいきさつを聞いたのかこう言った。
「次は俺が行くから。お前はもう行かなくて良いよ」
私を気遣ってくれたんだろうけど、足りない。余計に傷つく。
私の何がダメなのかな。と 主人に聞いたら親子で同じことを。
「お前が大和だからさ。」
はぁ・・・。どんな背景があってそうなるの?
「知らん。」
分かった。私いっそ外国人になろうかしら。金髪のズラ被って。
と 冗談で言うと
「がばおばーからすればお前は既に、外国人みたいなもんなんだよ。
嫌いとかじゃなくて、どうすれば良いのか分からんのだと思う。」
・・・あ。
そうか。
「どうすれば良いのか分からない」 ココだ。
あら、シンプル。
私も、「どうすれば良いのかワカラナイ」 だったよ。 がばおばー。
気に入られようと、すごく気を使ってすごく緊張してすごく無理して意地まではった。
ドウスレバイイノカワカラナクテ
そりゃあ、がばおばーも居心地が悪いよ。
なんせ知り合ったばかりだもの。
私達は。
次に会いに行った時は、もっと低い声で話そう
関西弁は喋らずに誰もがわかりやすい言葉を使おう。
何も期待しない。
いつか自然にほどけてくるモノがあるよね。
おっと、それからそれからお水は、 水道水でね。
〜歩き出す事さえも いちいち ためらうくせに
つまらない常識など 潰せると思ってた
君に話した言葉は どれだけ残っているの?
僕の心の一番奥で 空回りし続ける
あの頃の未来に 僕らは立っているのかなぁ
すべてが思うほど うまくはいかないみたいだ
このまま どこまでも 日々は続いていくのかなぁ
雲のない星空が マドの向こうに続いている〜
〜夜空ノムコウ〜
君が何か伝えようと 握り返したその手は
僕の心のやらかい場所を 今でもまだ締め付ける
ある日、がばおばー(おばーの更にムコウ←?)が突然腹痛を訴えたとの事で
がばおばーの息子である義父は出張中、私の主人はどうしても外せない仕事。
義母は、無免許。で、嫁の私が呼ばれた てなワケで。
すぐそっちへ行きます。
と、即駆けつけた。
こんにちは!がばおばー、大丈夫? と 玄関へ上がると
部屋からがばおばーのごねている声が聞こえた。「○男(息子)を呼べ」
どうやらとーちゃんを呼べと言っている。
「だから○男は今宮古にいないさいが。あんたお腹痛いんでしょう。ほら!嫁子さん来たさ!
ほら!んじ!!」 と かーちゃん。
あのー・・・がばおばー?かーちゃん?
「もう良い。あんたは帰りなさい。病院は行かん!」・・・
あんたとは、私ですか。
帰りませんよ。がばおばーがお腹痛いんでしょ?だから病院に行きたいんでしょう?
行きましょう。私だけやない、かーちゃんも一緒だよ。
「良い。もう良い」
良くない。
「行かん。」
行きますよ。
「帰りなさい」
帰りません。
・・双方譲らない。かーちゃんが、呆れ果てた顔で、私とがばおばーを見る。
(かーちゃん・・?私、もしかしてがばおばーに嫌われてる?)と こっそり聞いてみた。
「あのね悪く聞かないで欲しいんだけど、好き嫌いというかねー。あの人はワガママなだけ。
それにあなたは大和だから、あの人は昔から大和が苦手だからあんなにしてるの。」
ほう・・・。ヤマトガニガテ・・・新種のカニみたい。
「良いさ。タクシー呼ぶさ。ごめんね、嫁子さん」
がばおばーは、お布団の上に横たわり、コロンとあっちを向いていた。
タクシーがほどなく到着。
がばおばーは杖を付きつつ歩き、かーちゃんが後ろから付き添い、
ついでに「帰れ」と数秒前に言われた私もタクシーに乗り込んでやったはっはーー(乗ったモン勝ち)
がばおばーかかりつけの病院へ着き、私は図々しくも診察室にまで一緒に行く。
医師「カニさん(仮名)ウ○チたまってますから出して帰りましょうね」
なんだ便秘か。良かった良かった。ウン。
・・・きちんと処置をしていただき、がばおばーは顔色も良く処置室から出てきた。(さすがにそこは外しました)
無事帰宅し、がばおばーは何事もなかった様に椅子に座り相撲中継を見始めた。
私「がばおばー、もうお腹痛くない?」
がばおばー「ん。」
私「がばおばー、お水飲む?お茶よりお水だよね」
がば「ん。お水入れなさい。」
がばおばーは、ミネラルウォーターを嫌う人だった。
水道水派って事を、学んでたもんね。(以前ミネラルウオーターを持って行って「これは水じゃない」と叱られた・水って何!)
私「はい。お水。」
がば「ん。」
私「・・・。」
がば「・・・。」
別に帰りゃ良かったんだろうけど、なんか、しばらく、居座ろうって、その時は思った。
かーちゃんは、「5分で戻る」と言いどこかへ出かけ部屋には私とがばおばーの二人きり。
二人きり。
二人よ。がばおばー。あなたの苦手な大和と。
私はあなたが何者でも一向に構わなくってよ。
なんて、ほんとはドキドキ、かーちゃんが帰ってくるまでの5分が長くて。
相撲中継の音が救いの第三者の様で。
頭の中は色々な事を考えました。
(私は、ほんとに 嫌われてるのかな。私の関西弁が原因かな。)
宮古人じゃ ないから かな
がばおばーが再び「もう帰りなさい」と言った。
かーちゃんが戻ってくるまで居る。と言うと
さらに宮古方言で何かを言った。 けど、解らなかった。
何とも著しがたい時間が流れる。
かーちゃんが戻ってきて、私はがばおばーのそばを離れ
かーちゃんの買ってきた物を冷蔵庫に入れた。
「これ、あなた達の分」と、新聞紙で包まれたお刺身をくれた。
ありがと。かーちゃん。
「嫁子さん、ありがとうね。それからーごめんねー。がばおばーがあんなでさー
気にしないでまた来てちょうだいね」
ううん。全然気にしてないよ。仕方ないよね。私こんなだもん。(どんな?)
じゃ!また何かあったら呼んでね!お刺身、ありがとう!
足に入る力が出ず、とりあえず車に乗り込み
ボロボロボロボロ、泣いた。
今までは、主人が一緒だったから「普通」に接してくれていたんだ。
私だけやと、ほんとはああなんだ。ああなんだぁ・・・。
夜、主人がかーちゃんからいきさつを聞いたのかこう言った。
「次は俺が行くから。お前はもう行かなくて良いよ」
私を気遣ってくれたんだろうけど、足りない。余計に傷つく。
私の何がダメなのかな。と 主人に聞いたら親子で同じことを。
「お前が大和だからさ。」
はぁ・・・。どんな背景があってそうなるの?
「知らん。」
分かった。私いっそ外国人になろうかしら。金髪のズラ被って。
と 冗談で言うと
「がばおばーからすればお前は既に、外国人みたいなもんなんだよ。
嫌いとかじゃなくて、どうすれば良いのか分からんのだと思う。」
・・・あ。
そうか。
「どうすれば良いのか分からない」 ココだ。
あら、シンプル。
私も、「どうすれば良いのかワカラナイ」 だったよ。 がばおばー。
気に入られようと、すごく気を使ってすごく緊張してすごく無理して意地まではった。
ドウスレバイイノカワカラナクテ
そりゃあ、がばおばーも居心地が悪いよ。
なんせ知り合ったばかりだもの。
私達は。
次に会いに行った時は、もっと低い声で話そう
関西弁は喋らずに誰もがわかりやすい言葉を使おう。
何も期待しない。
いつか自然にほどけてくるモノがあるよね。
おっと、それからそれからお水は、 水道水でね。
〜歩き出す事さえも いちいち ためらうくせに
つまらない常識など 潰せると思ってた
君に話した言葉は どれだけ残っているの?
僕の心の一番奥で 空回りし続ける
あの頃の未来に 僕らは立っているのかなぁ
すべてが思うほど うまくはいかないみたいだ
このまま どこまでも 日々は続いていくのかなぁ
雲のない星空が マドの向こうに続いている〜
〜夜空ノムコウ〜
wrote:
「ぶち」は山口弁で沖縄でいう「でぇーじ」
さぁ、来月再来月と島に帰るどぉ〜
楽しみぃ〜