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2006/10/30

『みゃ?くくとぅば(宮古言葉)』

全国各地に「○×弁」「△□方言」「◇☆なまり」があるように、ここ宮古島にも独特の言葉がある。それは、「みゃ?くくとぅば」と言われ、この言葉自体もそうである。

 ぼくの友人で沖縄方言を研究している大森くんは、以前、方言の初歩を分かりやすく解説してくれた。それは、「母音のeとoは、iとuに置き換えられる」というものだった。たとえば、「ことば」は「くとぅば」ということになるそうだ。

 とはいっても、ぼくの周りで「みゃ?くくとぅば」が日常的に話されているわけではない。島で生まれ育った人たちも、職場などでは、標準語を話している。

 しかし、50歳以降くらいの人同士が話す時や、少しお酒が入った時などは、「みゃ?くくとぅば」のオンパレードになる。ぼくにとっては、インドネシア語が話されているのと同じくらい、全く意味が分からない。
 
 
『ずぅ? ずぅ? みゃ?くずまんかい』

 これは宮古の観光ポスターだ。この文字だけで意味を理解できる観光客はまずいないだろう。英訳してあるのは、外国人観光客を誘致しているわけではないと思う。


『50万円 パラーディナー?』

 これは、すでにカタカナで書かれている。日本語の枠からはみ出してしまったようだ。
 勘の良い方は、飲酒運転のことだとわかるかも知れないが、これに対してなんと答えればいいのだろうか!?
 「ダ??」とか「ラ??」とか言えば、通じるのだろうか。

 このような「みゃ?くくとぅば」以外にも、宮古には独特の「なまり」があり、これがまた興味深いのだが、次回にお伝えすることにしよう。

 「方言」や「なまり」は、地域の独自性が表れていてとても面白い。
 観光で訪れる人たちにとっても、その土地土地の言葉を聞いて、「旅に来たな?、違う文化圏に来たな?」と感慨にふける人も多いだろう。今後も大切に守られていってほしいものだ。
Posted by: kamome カテゴリー: 生活

2006/10/20

『宮古そば1』

 沖縄そば(宮古そば)といえば、メジャーな沖縄料理の一つだ。
 先の10月17日は、「沖縄そばの日」だった。何でも、そば粉を使ってない「沖縄そば」は、本来「そば」と名乗ることができない。しかし、「沖縄そば」という名前で、広く知れ渡っていたため、特例として「そば」と名乗ることが認められた。先日はそんな記念すべき日だったのだ。
 
 少し調べてみると、さらに面白いことが分かった。琉球王朝時代、そばは一部の上流階級しか食べることが出来なかったらしい。今では簡単に手に入る、豚肉・昆布・小麦粉などはなかなか手に入らなかったのだろうか。今では、一杯300円なんてお店もあるのに。。。


『宮古そば』 at まるよし食堂

 さて、宮古そばと沖縄そばの違いでよく言われるのは、宮古そばは具が麺の下に隠れていることだ。
 このディテールだけなら、別の呼称を付ける価値があるのか、ぼくは疑問をもってしまうが、もっと別な理由があるのだろう。
 たとえば、宮古島にある製麺所で作られた麺だからとか、郷土愛の深い県民性が反映されているだとか(素晴らしい理由だ!)。


 まず、具が麺の下に隠れている昔ながらの宮古そばが食べられる所を紹介したい。島の中南部にある「まるよし食堂」だ。ドライブの途中の便利なところにあるので、ときどき利用させてもらっている。
 味はややこってりして、ボリュームがある。にんにくが入っていてラーメンに少し似た感覚だ。最近お店も建て替わり、きれいになっている。食後にサトウキビアイスがもらえ、昔のおやつだったんだろうなと勝手に感慨にふけったりもできる。
(上の写真のおそばやさん)



『そばセット』 at 古謝そば新しい店舗

 続いては、宮古一の老舗そば屋、古謝そば。繁華街のイイザト地区に本店があるが、少し前にできた新しい店舗の方を紹介したい。赤瓦の建物で、中に入ると天井が高く開放感がある。内装は木材が多く使われ、テーブルや座敷も居心地が良い。器なども沖縄の焼き物を使っている。味は、あっさりしていて正統派のそばといった感じ。写真のセットは小鉢も付いてお手頃価格。ランチタイムはちょっと混み合うのが難点かも・・・


『チャンプルーそば』 at 金吾

 少し穴場的な、金吾というお店。平良の市街地から少し外れたところにあるお店で、夜でも定食が食べれる宮古では珍しいお店だ。
 そばだとあまり野菜が取れないので、ぼくは野菜ののったそばを食べることが多い。ここのそばは、とてもあっさりしていて上品な味わいだ。


『スタミナそば』 at ばっしらいん
 
 最後は、ファミリーレストランばっしらいんのスタミナそばだ。野菜もお肉もにんにくもたっぷり入っていて、食べるととても元気になれる。おいしいけど、そばというカテゴリーからは少し外れるかも・・・

 そのほかにも、宮古には、おいしいそば屋さんいっぱいあります。是非、お気に入りのそば屋さんを見つけてみてください!
Posted by: kamome カテゴリー: 食べ物

2006/10/10

『多良間の八月踊り』

 先日、多良間島で行われた伝統あるお祭り、八月踊りを見に行った。

 多良間島は、宮古から定期船で2時間半のところにあり、外周15kmほどの、とても小さな島だ。大部分は、サトウキビ畑と黒牛の放牧地になっていて、のどかな風景が広がっている。
 民家の庭先には、色とりどりの花が咲き、山羊を飼育しているところも多くあった。



*余談ながら、この島の合計特殊出生率3.14人でぶっちぎりの日本一だ! 簡単に言うと、1家族に子供が3人以上いるということだ。
 物質的には決して豊かな島とは言えないけど、元気な子供たちの声があふれるこの島の豊かさは、計り知れない。


『牧草まみれになっている牛』


 さて、八月踊りは、旧暦の8月8,9,10日に行われる。
 1637年から実施された人頭税制度によって苦しみを味わった人々が、奉納踊りをし、納税の苦しみを慰め、祝い楽しんだことが、起源とされている。なんと、350年以上続いている!
 この踊りには、先祖に対する感謝や翌年の豊年になるよう願いも込められているだろう。



 登場人物は、(たぶん)すべての役を男性がこなす。歌舞伎の女形のような役もあるのだ。まだあどけなさを残っている少年が白粉を塗り、踊る姿は、なんとも艶やかで見る人々を魅了していた。




 このお祭りには、島のほとんどの人たちが参加する。みんなで準備し、みなで祝う。小さな子供から、お年寄りまで。
当日、現役を引退したオジーたちは、最前列の桟敷席に座り、泡盛を飲みながら、夢うつつで踊りを見つめていた。オバーたちは、少し高いところで、おしゃべりをしながら眺めていた。

 いろいろなものが、ものすごいスピードで変わって行き、伝統芸能が失われていく中で、この八月踊りは、ますます重要性は高まっていくだろう。
Posted by: kamome カテゴリー: etc.