これは、一週間ほど前、ぼくの身のまわりで起こった出来事だ。

 先週の日曜日、ちょっとしたことから、右手の中指を怪我してしまった。
 よく見てみたけれど、外傷はなく、痛みを伴いながらも自分の意志で指を動かすことができたので、対したことはないだろうと判断し、放っておいた。

 翌朝、目を覚ますと、指は腫れ、痛みがまだあった。しかし、それでも病院に行くほどではないと思い、いつも通り職場へ行き、いつも通り仕事をした。
 
 お昼を少し過ぎたくらいに、上司に怪我のことを話すと、「すぐに病院に行った方がいいよ」と言い、同時に近くにある宮古病院に電話をしてくれた。
 そして、「宮古病院の整形外科は午後の外来がないそうだから、くらはし整形外科へ行きなさい。」と教えてくれた。

 しばらくすると、どこから聞いたのか、別の先輩がやってきて、椅子に座っているぼくに、
「指は大丈夫?宮古病院は今日休診だから、くらはしに行きなさい。今は一時間待ちくらいだよ。」
と伝えてくれた。

 また、しばらくすると、さらに違う先輩がやってきて、
「指怪我したんだって?くらはしは、今一時間待ちで、六時まで受付してるから、仕事終わって頃に行きなさい。」
と心配そうに話してくれた。

 きっとこの3人はみな、それぞれ宮古病院やくらはし整形外科に電話をして、問い合わせしてくれたのだろう。
その他にも、いろんな人が声を掛けてくれた。怪我をした理由を10秒で簡潔に説明できるようになったほど。

  温かい職場環境、priceless.



 以前、宮古の人の温かさについて、友だちと話し合ったことがあった。ある友人は、こんなエピソードを話してくれた。
 
 何かの用事で宮古の友人の家に立ち寄ると、必ず「コレ持って行け!(持って帰りなさい)」と何かを渡される。
 ある時は、庭で取れた野菜であり、ある時は、テーブルの上のみかんや買い置きしてある缶ジュースだった。質や量の問題ではない。その時にそこにある何かをくれるのだ。
 たまたま何もあげるものがなかった日に、『飲みかけのペットボトル』を「コレ持ってけ!」と渡された。『食べかけの餅』であったこともあるそうだ。
 言うまでもないが、悪意など、全くない。完全にない。ただ、家まで足を運んでくれたお礼に何かをあげたくて、渡したのだ。

宮古の人の気質、priceless.
宮古の心、priceless.