2006/08/09
『八重干瀬クルーズ&シュノーケルツアー』
青。
透明度が高い、水色。
下に根サンゴがある、濃紺。
大量のバスクリンを流してしまったような、ブルー。
人々の心を躍らせる、海の色。
『池間大橋をくぐる』
宮古島と言えば、沖縄屈指の海の美しさで有名だが、さらに船で1時間程度行ったところにある八重干瀬は、日本最大級のサンゴ礁群(周囲約25km)を誇り、漁業面からも観光面からもとても貴重な海域だ。干潮時には一部が表出し、満潮時には水の中に沈んでしまうところから、「幻の大陸」とも言われている。(『八重干瀬観光上陸』参照)
今回は、マーレクルーズの八重干瀬クルーズ&シュノーケルツアーに参加した。まさに宮古の魅力を全て凝縮したようなツアーだった。
ぼくは、港に停泊している船を見たときから、テンションがうなぎ上りになった。
いっぱい泊まっている中で、これが一番と思ってたのが、マーレクルーズの船だったからだ。白鳥のように優雅な外装と充実した内装設備で、船に乗っているだけで、満足してしまう。
船長の棚原さんを始め、スタッフもみな明るく親切で、八重干瀬に関するレクチャーやシュノーケルの使い方を丁寧に教えてくれる。
『紳士的な棚原船長』
荷川取港を出港し、砂山ビーチや狩俣集落を右手に見ながら北上していくと、池間大橋が近づいてくる。この時、ぼくのテンションは、完全に振り切った。普段から宮古の海を見慣れているけれど、この色には、言葉も出ない・・・。(最初の写真を見て下さい。)
八重干瀬に着き、海に潜ると、さらに圧倒される。珊瑚群落の一つ一つが、普段シュノーケルで見ているものの数倍あり、それがずっと続いている。その周りには、色とりどりの魚たちが遊んでいる。
ドロップオフになっている深場へ行くと、ぼくの視界を覆うほどたくさんの魚が群れをなし、泳いでいた。
『VIVA LA VITA(生き物万歳)』
魚の群れを見ていると、自分の知らない世界で繰り広げられる無数の命の営みに、瑞々しい生の力強さを感じた。(メキシコの画家フリーダカーロの『VIVA LA VITA』という絵を見たときのことをふと思い出したので、同じ題名にした。)
ただ、命の躍動感に興奮した。
八重干瀬は言うまでもなく、クルーザーの先端から見る絶景や潮風の心地良さなど、言葉では伝えきれないほど貴重で優雅な体験だった。せっかく宮古を訪れるなら、こんな素敵な休日を過ごしてみては、いかがでしょうか。
「マーレクルーズのお問い合わせ」
住所:宮古島市平良字下里1072-9
TEL/FAX:
ホームページ:http://www.cosmos.ne.jp/%7Emare-c/
E-mail:
*小さなお子さんでも、スタッフがしっかり面倒を見てガイドしてくれるので、安心です。
*マーレクルーズでは、サンセットクルーズもやっています。おいしいお料理&ワイン付きです。
『船から見る夕日』
『じゃがらんださんの絶品料理』
透明度が高い、水色。
下に根サンゴがある、濃紺。
大量のバスクリンを流してしまったような、ブルー。
人々の心を躍らせる、海の色。
『池間大橋をくぐる』
宮古島と言えば、沖縄屈指の海の美しさで有名だが、さらに船で1時間程度行ったところにある八重干瀬は、日本最大級のサンゴ礁群(周囲約25km)を誇り、漁業面からも観光面からもとても貴重な海域だ。干潮時には一部が表出し、満潮時には水の中に沈んでしまうところから、「幻の大陸」とも言われている。(『八重干瀬観光上陸』参照)
今回は、マーレクルーズの八重干瀬クルーズ&シュノーケルツアーに参加した。まさに宮古の魅力を全て凝縮したようなツアーだった。
ぼくは、港に停泊している船を見たときから、テンションがうなぎ上りになった。
いっぱい泊まっている中で、これが一番と思ってたのが、マーレクルーズの船だったからだ。白鳥のように優雅な外装と充実した内装設備で、船に乗っているだけで、満足してしまう。
船長の棚原さんを始め、スタッフもみな明るく親切で、八重干瀬に関するレクチャーやシュノーケルの使い方を丁寧に教えてくれる。
『紳士的な棚原船長』
荷川取港を出港し、砂山ビーチや狩俣集落を右手に見ながら北上していくと、池間大橋が近づいてくる。この時、ぼくのテンションは、完全に振り切った。普段から宮古の海を見慣れているけれど、この色には、言葉も出ない・・・。(最初の写真を見て下さい。)
八重干瀬に着き、海に潜ると、さらに圧倒される。珊瑚群落の一つ一つが、普段シュノーケルで見ているものの数倍あり、それがずっと続いている。その周りには、色とりどりの魚たちが遊んでいる。
ドロップオフになっている深場へ行くと、ぼくの視界を覆うほどたくさんの魚が群れをなし、泳いでいた。
『VIVA LA VITA(生き物万歳)』
魚の群れを見ていると、自分の知らない世界で繰り広げられる無数の命の営みに、瑞々しい生の力強さを感じた。(メキシコの画家フリーダカーロの『VIVA LA VITA』という絵を見たときのことをふと思い出したので、同じ題名にした。)
ただ、命の躍動感に興奮した。
八重干瀬は言うまでもなく、クルーザーの先端から見る絶景や潮風の心地良さなど、言葉では伝えきれないほど貴重で優雅な体験だった。せっかく宮古を訪れるなら、こんな素敵な休日を過ごしてみては、いかがでしょうか。
「マーレクルーズのお問い合わせ」
住所:宮古島市平良字下里1072-9
TEL/FAX:
ホームページ:http://www.cosmos.ne.jp/%7Emare-c/
E-mail:
*小さなお子さんでも、スタッフがしっかり面倒を見てガイドしてくれるので、安心です。
*マーレクルーズでは、サンセットクルーズもやっています。おいしいお料理&ワイン付きです。
『船から見る夕日』
『じゃがらんださんの絶品料理』
Posted by: kamome カテゴリー: 海
2006/07/19
『海を壊さないで!』
今回は、これから宮古島へ来る皆さんに、是非考えていただきたい問題を提起しようと思う。
宮古島は、砂浜から数m入るだけで、色とりどりのサンゴや魚たちを見ることが出来、シュノーケルに適した島だ。しかし、このことによって、とても大きな問題が起きている。
一つめは、サンゴがむやみに傷つけられていることだ。
ほとんどのサンゴは、場所を移動することはないので一見植物のようだが、ぼくたちと同じ動物だ。下の写真に見える小さな穴には、まるで高層マンションのように、サンゴ虫が一匹づつ住んでいる。
『クシハダミドリイシ』
枝サンゴやテーブルサンゴと言われているミドリイシの仲間は、非常に折れやすく、踏んづけることはもちろん、手で掴んだり、フィンが当たっただけで、ポキッと折れてしまう。サンゴが死んでしまうだけでなく、そこを住み処にしているエビやカニ、隙間や裏に隠れていた魚たちは行き場を失ってしまう。
近年、オニヒトデの大量発生や地球温暖化による海水温上昇、赤土や農薬の流入など、サンゴを取り巻く状況は極めて厳しい。さらに人災が加わるとしたら・・・・・・。
シュノーケルをするときは細心の注意を払い、生きているサンゴの上には登ったり、むやみにサンゴには触るのはやめましょう!
『デコボコベッド(ハナバチミドリイシ)』
さらに、大きな問題は、魚の餌付けだ。
シュノーケルポイントのほとんどで、魚が寄ってくる。ひどい所では餌を持っていないぼくの指先をかじりに来る。これは異常だ。本来、魚は人に寄ってくる生き物ではないのに・・・
ソーセージの袋がサンゴに引っかかっていたり、波打ち際に打ち上げられているのを見たことがあるだろうか。魚肉ソーセージを与えられ続けた魚からは奇形が産まれる確率が高いという話も知っているだろうか。
ぼくはこの日、普段は岩の隙間や珊瑚の裏に隠れているクロオビマサカツが常に明るい所に出ていたり、口が鋭く非常に危険なダツや、50cmくらいあるコバンアジの群れがシュノーケラーを追っかけているのを見た。(事故が起こらないことを、願うばかりだ)
きれいな魚を間近で見たいという気持ちはよく分かるが、だからといって、人間が海の秩序を乱していいものだろうか。
魚はその姿を人間に見せるために生きているのではない。ぼくらは隣の家にお邪魔させてもらうように謙虚な気持ちで、海の中を覗くべきではないだろうか。
宮古島は餌をあげなくても、たくさんの魚が見れる美しい島だ。
『テバススズメダイ』
宮古島は、砂浜から数m入るだけで、色とりどりのサンゴや魚たちを見ることが出来、シュノーケルに適した島だ。しかし、このことによって、とても大きな問題が起きている。
一つめは、サンゴがむやみに傷つけられていることだ。
ほとんどのサンゴは、場所を移動することはないので一見植物のようだが、ぼくたちと同じ動物だ。下の写真に見える小さな穴には、まるで高層マンションのように、サンゴ虫が一匹づつ住んでいる。
『クシハダミドリイシ』
枝サンゴやテーブルサンゴと言われているミドリイシの仲間は、非常に折れやすく、踏んづけることはもちろん、手で掴んだり、フィンが当たっただけで、ポキッと折れてしまう。サンゴが死んでしまうだけでなく、そこを住み処にしているエビやカニ、隙間や裏に隠れていた魚たちは行き場を失ってしまう。
近年、オニヒトデの大量発生や地球温暖化による海水温上昇、赤土や農薬の流入など、サンゴを取り巻く状況は極めて厳しい。さらに人災が加わるとしたら・・・・・・。
シュノーケルをするときは細心の注意を払い、生きているサンゴの上には登ったり、むやみにサンゴには触るのはやめましょう!
『デコボコベッド(ハナバチミドリイシ)』
さらに、大きな問題は、魚の餌付けだ。
シュノーケルポイントのほとんどで、魚が寄ってくる。ひどい所では餌を持っていないぼくの指先をかじりに来る。これは異常だ。本来、魚は人に寄ってくる生き物ではないのに・・・
ソーセージの袋がサンゴに引っかかっていたり、波打ち際に打ち上げられているのを見たことがあるだろうか。魚肉ソーセージを与えられ続けた魚からは奇形が産まれる確率が高いという話も知っているだろうか。
ぼくはこの日、普段は岩の隙間や珊瑚の裏に隠れているクロオビマサカツが常に明るい所に出ていたり、口が鋭く非常に危険なダツや、50cmくらいあるコバンアジの群れがシュノーケラーを追っかけているのを見た。(事故が起こらないことを、願うばかりだ)
きれいな魚を間近で見たいという気持ちはよく分かるが、だからといって、人間が海の秩序を乱していいものだろうか。
魚はその姿を人間に見せるために生きているのではない。ぼくらは隣の家にお邪魔させてもらうように謙虚な気持ちで、海の中を覗くべきではないだろうか。
宮古島は餌をあげなくても、たくさんの魚が見れる美しい島だ。
『テバススズメダイ』
Posted by: kamome カテゴリー: 海
2006/07/12
『シーカヤック&シュノーケリングツアー』
先日、OCEAN TRIBEが主催するシーカヤック&シュノーケリングツアーに参加した。
OCEAN TRIBEは、宮古島の北東、島尻集落に事務所(兼自宅)を構え、島尻沖のリーフを中心に、大神島へシュノーケリングツアーなどを、こじんまりやっている。
この辺りは、観光客はほとんど立ち寄らないのどかな場所で、宮古島らしさが色濃く残っているところだ。
ツアーは、まず、ムエタイの選手のような体をしたガイドの原辰也くんが、カヤックの漕ぎ方・注意事項・観察できる生き物などを、一通り親切に説明をしてくれる。
『宮古唯一のクリアーカヤック』(下部がガラス張りになっています)
ぼくはカヤックが初めてで、少し不安だったけど、すぐに要領を掴むことができた。
「右」「左」「右」「左」と、友人と声を合わせながら、櫂を廻すと、海面を切るように進んでいく。自分たちの力だけで海面を自由に移動できるので、海の上を散歩しているようだった。海上の風が頬を抜けていく感触、たまに被ってしまう塩水さえ、とても気持ちよかった。
時々、手を休め、下をのぞき込むと、トロピカルな色彩の魚が、悠々と通り過ぎていった。
そうこうして、ふと陸地を振り返ると、だいぶ遠くまで来ていて、程なく、今回のシュノーケルポイントである「カーミ前」に着いた。
ぼくたちは、この小さな環礁を一時間くらいかけて、一周した。
全く踏みつぶされていない珊瑚、餌付けされていない魚。誰の手も加えていない、自然そのままの姿が見られた。
『サンゴを取り巻く魚たち』
カクレクマノミ、イソバナ、ソフトコーラルの大群落・・・・
ガイドの原くんは、生き物の場所を的確に把握していて、いろいろなものを見せてくれた。さらに、生き物の名前だけでなく、生態なども説明してくれ、宮古の自然を楽しく理解できた。
『カクレクマノミ』
しかし、このツアーのクライマックスは、帰りに訪れた。
風向きと潮の流れの関係で、この日は櫂を漕がずに港まで帰ることができた。ぼくらは、カヤックに寝っ転がり、ただ波に体を預けた。日差しを避けるため、顔の上に帽子を乗せて、波に揺られていると、頭の中がからっぽになっていった。生きてる心地がしないほど気持ち良く、母なる海に抱かれていた。
今回ツアーに参加して、カヤックを漕ぐ楽しさはもちろん、波に揺られる気持ち良さを知り、一人では決して見られないたくさんの魚や珊瑚を見ることができた。
そして何よりも、適切なガイドをしてもらうことによって、自然に対する理解が深まり、より楽しく思い出深いものになった。
OCEAN TRIBE(オーシャントライブ)のお問い合わせ先
宮古島市平良字島尻510-1
TEL・FAX:(0980)74-6203
MAIL:
OCEAN TRIBEは、宮古島の北東、島尻集落に事務所(兼自宅)を構え、島尻沖のリーフを中心に、大神島へシュノーケリングツアーなどを、こじんまりやっている。
この辺りは、観光客はほとんど立ち寄らないのどかな場所で、宮古島らしさが色濃く残っているところだ。
ツアーは、まず、ムエタイの選手のような体をしたガイドの原辰也くんが、カヤックの漕ぎ方・注意事項・観察できる生き物などを、一通り親切に説明をしてくれる。
『宮古唯一のクリアーカヤック』(下部がガラス張りになっています)
ぼくはカヤックが初めてで、少し不安だったけど、すぐに要領を掴むことができた。
「右」「左」「右」「左」と、友人と声を合わせながら、櫂を廻すと、海面を切るように進んでいく。自分たちの力だけで海面を自由に移動できるので、海の上を散歩しているようだった。海上の風が頬を抜けていく感触、たまに被ってしまう塩水さえ、とても気持ちよかった。
時々、手を休め、下をのぞき込むと、トロピカルな色彩の魚が、悠々と通り過ぎていった。
そうこうして、ふと陸地を振り返ると、だいぶ遠くまで来ていて、程なく、今回のシュノーケルポイントである「カーミ前」に着いた。
ぼくたちは、この小さな環礁を一時間くらいかけて、一周した。
全く踏みつぶされていない珊瑚、餌付けされていない魚。誰の手も加えていない、自然そのままの姿が見られた。
『サンゴを取り巻く魚たち』
カクレクマノミ、イソバナ、ソフトコーラルの大群落・・・・
ガイドの原くんは、生き物の場所を的確に把握していて、いろいろなものを見せてくれた。さらに、生き物の名前だけでなく、生態なども説明してくれ、宮古の自然を楽しく理解できた。
『カクレクマノミ』
しかし、このツアーのクライマックスは、帰りに訪れた。
風向きと潮の流れの関係で、この日は櫂を漕がずに港まで帰ることができた。ぼくらは、カヤックに寝っ転がり、ただ波に体を預けた。日差しを避けるため、顔の上に帽子を乗せて、波に揺られていると、頭の中がからっぽになっていった。生きてる心地がしないほど気持ち良く、母なる海に抱かれていた。
今回ツアーに参加して、カヤックを漕ぐ楽しさはもちろん、波に揺られる気持ち良さを知り、一人では決して見られないたくさんの魚や珊瑚を見ることができた。
そして何よりも、適切なガイドをしてもらうことによって、自然に対する理解が深まり、より楽しく思い出深いものになった。
OCEAN TRIBE(オーシャントライブ)のお問い合わせ先
宮古島市平良字島尻510-1
TEL・FAX:(0980)74-6203
MAIL:
Posted by: kamome カテゴリー: 海
2006/05/31
『新城海岸遺跡』
新城海岸のすぐそばに、二千年くらい前の遺跡がある。貝塚や陶器、住居跡などの発掘がだいぶ前から行われ、毎年新しい発見があるそうだ。
『グンバイヒルガオが伸びる新城海岸』
新城海岸は今でも魚の種類が多く、昔の人がこの海岸の周辺で魚や貝を獲り、生活していたことが想像できる。
今よりも海と人間の関係が、密接に繋がっていて、海を畏れ、海の恵みに感謝し、人生のほとんどを海との関わりの中で過ごしていた時代だ。潮の流れや天候、風の向きなど、気象庁の天気予報より的確な情報収集と状況判断をしていたに違いない。かつて宮古島には、風を表す言葉が100種類以上あったという話を聞いたことがある。
そんな生活は、宮古島に人が住み始めた太古の昔から、ほんの100年前くらいまで、たぶんほとんど変わらないものだったであろう。梅雨になると、毎年アジサイが咲き乱れるように、広大な自然の一部として、人間の生活が成り立っていた。
資料によると、発掘されたものの中にサメの歯がある。その歯には穴があいていて、装飾品として使われていたらしい。
昔、サメとの格闘は命がけだったに違いない。サバニ(木造船)より大きなサメもいるし、今のように殺傷能力の高い武器もなかった。『老人と海』に出てくるサメのように獲物を横取りし、今以上に敵視されていたかもしれない。陸地で待つ家族のために、サメと戦い、その証として、色黒の男たちの胸に光る白く歯は、男のプライドそのものだったはずだ。より大きな歯を持つものが、権力を持っていたかもしれない。
面白いことに、最近、サメの歯のネックレスが若者たちに流行していると聞いた。
ペーパーナイフとして利用するつもりはなく、男らしさの象徴として、身に付けるのだろう。そのものに込められている重みは違うかもしれないけど、二千年前と同じアクセサリーを身に付けているという事実、そしてその感覚はとても面白い。
『shark tooth accessory』
*moby工房にて撮影させてもらいました。
さて、新城海岸はウミガメの産卵場所としても知られている。しかし、新城海岸を始め、宮古中のほとんど全ての海岸は、漂着ゴミや廃油ボールだらけだ。人があまり入らない海岸になればなるほど、ゴミの多さにうんざりする。裸足で浜を歩けない。
漂着ゴミだけの問題でもない。護岸工事による砂の減少、土地改良などによる土砂や農薬の流入など、凄まじい勢いで砂浜が破壊され続けている。ウミガメの産卵場所は危機に瀕している。産卵場所がなくなれば、個体数もみるみる減っていくだろう。
「20年前はもっと産卵しに来ていた」というような話を聞く。このままでは、ぼくたちが「20年前はこの辺りにもウミガメが産卵しに来ていた」という科白を述べないといけないかもしれない。
*moby工房は、お店の前に流木が山積みになっているようなナチュラル系アクセサリーショップです。流木を始め、貝などの手作りアクセサリーがいっぱいあります。店内はヒノキの香りが漂い、とても癒されます。
『グンバイヒルガオが伸びる新城海岸』
新城海岸は今でも魚の種類が多く、昔の人がこの海岸の周辺で魚や貝を獲り、生活していたことが想像できる。
今よりも海と人間の関係が、密接に繋がっていて、海を畏れ、海の恵みに感謝し、人生のほとんどを海との関わりの中で過ごしていた時代だ。潮の流れや天候、風の向きなど、気象庁の天気予報より的確な情報収集と状況判断をしていたに違いない。かつて宮古島には、風を表す言葉が100種類以上あったという話を聞いたことがある。
そんな生活は、宮古島に人が住み始めた太古の昔から、ほんの100年前くらいまで、たぶんほとんど変わらないものだったであろう。梅雨になると、毎年アジサイが咲き乱れるように、広大な自然の一部として、人間の生活が成り立っていた。
資料によると、発掘されたものの中にサメの歯がある。その歯には穴があいていて、装飾品として使われていたらしい。
昔、サメとの格闘は命がけだったに違いない。サバニ(木造船)より大きなサメもいるし、今のように殺傷能力の高い武器もなかった。『老人と海』に出てくるサメのように獲物を横取りし、今以上に敵視されていたかもしれない。陸地で待つ家族のために、サメと戦い、その証として、色黒の男たちの胸に光る白く歯は、男のプライドそのものだったはずだ。より大きな歯を持つものが、権力を持っていたかもしれない。
面白いことに、最近、サメの歯のネックレスが若者たちに流行していると聞いた。
ペーパーナイフとして利用するつもりはなく、男らしさの象徴として、身に付けるのだろう。そのものに込められている重みは違うかもしれないけど、二千年前と同じアクセサリーを身に付けているという事実、そしてその感覚はとても面白い。
『shark tooth accessory』
*moby工房にて撮影させてもらいました。
さて、新城海岸はウミガメの産卵場所としても知られている。しかし、新城海岸を始め、宮古中のほとんど全ての海岸は、漂着ゴミや廃油ボールだらけだ。人があまり入らない海岸になればなるほど、ゴミの多さにうんざりする。裸足で浜を歩けない。
漂着ゴミだけの問題でもない。護岸工事による砂の減少、土地改良などによる土砂や農薬の流入など、凄まじい勢いで砂浜が破壊され続けている。ウミガメの産卵場所は危機に瀕している。産卵場所がなくなれば、個体数もみるみる減っていくだろう。
「20年前はもっと産卵しに来ていた」というような話を聞く。このままでは、ぼくたちが「20年前はこの辺りにもウミガメが産卵しに来ていた」という科白を述べないといけないかもしれない。
*moby工房は、お店の前に流木が山積みになっているようなナチュラル系アクセサリーショップです。流木を始め、貝などの手作りアクセサリーがいっぱいあります。店内はヒノキの香りが漂い、とても癒されます。
Posted by: kamome カテゴリー: 海
2006/04/12
『八重干瀬観光上陸』
先週、サンゴ礁のガイドをした。
1年に3日間、サニツ(旧暦の3月3日)と呼ばれる時期に行われる八重干瀬観光上陸で、サンゴ礁に関する理解を深めてもらうためだ。
この時期の干潮は、1年の中で一番潮が引く。お月さまが、息の続く限り、海水を吸い込んでいる。普段は、水の中にいるサンゴも、地上へ姿を現すというわけだ。
この様子が「幻の島」と呼ばれる所以で、船の中は全国各地からの観光客でいっぱいだった。定年退職後らしい夫婦が多く、生きたサンゴをじっくり見たり、触ったりする貴重な機会になっている。
八重干瀬は、池間島の北に位置する、大小100を超えるサンゴ礁群のことだ。
この海域は、とてもよい漁場になっている。サンゴの隙間や陰には、小さなエビやカニが住んでいる。それを食べる魚が集まってくる。さらに、それを食べる大きい魚が集まってくる・・・という具合だ。
また、海が荒れ、他の場所で漁ができない時でも、サンゴ礁が波を打ち消し、漁を可能にする。地元の漁師は、「海の畑(インヌパリ)」と呼んでいる。まさに、母なる海なのだろう。
地上に顔を出したサンゴは、どんな気分なのだろうか。
急に水がなくなって、冷や汗をかいているのだろうか。それとも、織姫と彦星のように、この日を待ちわびていたのだろうか。地上に姿を見せることは、サンゴの生存にとって重大な危機なので、生物学的には前者に違いないけれど。
『パラオカメノコキクメイシ』
ぼくは、ガイドもさることながら、久しぶりの八重干瀬の美しさを心から楽しんだ。キクメイシがエメラルドのように輝いていた。自然界にこんな美しい色があることに驚き、この感動を出会ったばかりの母親くらいの観光客と分かち合った。
観光上陸には様々な意見があるけれど、実際にサンゴや貝を見、触れることによって、ただ陸上から海を眺める観光よりも、サンゴ礁の海を深く理解してもらえるだろう。そしてその大切さを認識し、沖縄は元より、日本の、地球全体の、はたまた、身のまわりの自然を考えるきっかけになれば、こんなに素晴らしいことはない。
そして、その旅が本当に満足のいくものなら、その人が電波塔になり、周りの人を宮古に導いてくるだろう。
1年に3日間、サニツ(旧暦の3月3日)と呼ばれる時期に行われる八重干瀬観光上陸で、サンゴ礁に関する理解を深めてもらうためだ。
この時期の干潮は、1年の中で一番潮が引く。お月さまが、息の続く限り、海水を吸い込んでいる。普段は、水の中にいるサンゴも、地上へ姿を現すというわけだ。
この様子が「幻の島」と呼ばれる所以で、船の中は全国各地からの観光客でいっぱいだった。定年退職後らしい夫婦が多く、生きたサンゴをじっくり見たり、触ったりする貴重な機会になっている。
八重干瀬は、池間島の北に位置する、大小100を超えるサンゴ礁群のことだ。
この海域は、とてもよい漁場になっている。サンゴの隙間や陰には、小さなエビやカニが住んでいる。それを食べる魚が集まってくる。さらに、それを食べる大きい魚が集まってくる・・・という具合だ。
また、海が荒れ、他の場所で漁ができない時でも、サンゴ礁が波を打ち消し、漁を可能にする。地元の漁師は、「海の畑(インヌパリ)」と呼んでいる。まさに、母なる海なのだろう。
地上に顔を出したサンゴは、どんな気分なのだろうか。
急に水がなくなって、冷や汗をかいているのだろうか。それとも、織姫と彦星のように、この日を待ちわびていたのだろうか。地上に姿を見せることは、サンゴの生存にとって重大な危機なので、生物学的には前者に違いないけれど。
『パラオカメノコキクメイシ』
ぼくは、ガイドもさることながら、久しぶりの八重干瀬の美しさを心から楽しんだ。キクメイシがエメラルドのように輝いていた。自然界にこんな美しい色があることに驚き、この感動を出会ったばかりの母親くらいの観光客と分かち合った。
観光上陸には様々な意見があるけれど、実際にサンゴや貝を見、触れることによって、ただ陸上から海を眺める観光よりも、サンゴ礁の海を深く理解してもらえるだろう。そしてその大切さを認識し、沖縄は元より、日本の、地球全体の、はたまた、身のまわりの自然を考えるきっかけになれば、こんなに素晴らしいことはない。
そして、その旅が本当に満足のいくものなら、その人が電波塔になり、周りの人を宮古に導いてくるだろう。
Posted by: kamome カテゴリー: 海